| 著者: | 酒見 賢一 | 
| 読み: | さけみ けんいち | 
| 題名: | 『周公担』 | 
| 出版: | 文春文庫 | 
| 発行: | 2003/04 | 
| 受賞: | 新田次郎文学賞受賞 | 
| 読了: | 2003/05/06 | 
| 評価: | C: ★★★ | 
| 感想: | 
           孔子が理想の国とした周と孔子が理想とした哲人政治家の周公担。その神話を等身大にとらえ直し、酒見賢一お得意の「歴史小説とファンタジーノベルの幸せな結婚」スタイルで描く。 ファンタジーノベルの要素があるといっても、主人公は野心のない政治家。血沸き肉踊るわけでもなし、知謀策略極まるわけでもなし、ストーリーはあくまでも淡淡と進む。他の中国もののような彩りには欠ける。むしろ『ピュタゴラスの旅』 の系統。 それなりに面白いけど、他の酒見作品をたくさん読んでいる自分にとっては新しさやこの作品ならではの価値に欠ける。 参考文献として白川静が多く挙げられており、またその影響が色濃くみられる。  |